今回は、ちょっと自信作です。まさに”絶景”というに相応しい景色ではないかと自負しています。
撮影場所は、北八ヶ岳の中山峠と東天狗岳の中間あたり。撮影時期は3月末です。里では桜(ソメイヨシノ)が咲き始める時期ですが、山の上はまだまだ雪に覆われています。
このとき私は、渋の湯から入山して黒百合ヒュッテに宿泊。朝一番で中山峠の少し上で朝日を撮って、そのまま東天狗岳と西天狗岳に登りました。その様子は、以下の記事で。
【今週の1枚】早春の北八ヶ岳・中山峠で御来光
【天狗岳】2つの山頂で春雪の八ヶ岳を展望する
2つの天狗岳で360°全天球パノラマ写真を撮影し、再び黒百合ヒュッテに向かって下山している途中で撮ったのが今回の1枚です。
正面に広がる樹林帯は北八ヶ岳の中央部。そこから左奥に向かって縞枯山(しまがれやま)や北横岳(きたよこだけ)があって、一連の山の左端が蓼科山(たてしなやま)です。
そして、蓼科山の奥に白く連なるのは雲ではなく北アルプスの山々。右上に見えるのは浅間山です。
「いや~、絶景最高!」なんて叫びたくなるような風景ではないでしょうか。夏山も紅葉も、真冬の雪景色もいいですが、春の雪山もいい。明るい日差しを受けて山が輝いているように思います。
雪山というと、1月・2月の厳冬期と思っている人も多いかと思います。でも、登るには気候が緩み始めた春の方がいいと思います。ただ、山の位置や高さ、そして年によって雪の量がかなり違うので、いつどの山へ行くかタイミングが重要です。
たとえば、北アルプス・涸沢の山小屋は4月末のゴールデンウィークから開きます。その少し前に、山小屋スタッフが涸沢へ入って雪に埋まった小屋を掘り出します。ゴールデンウィークに涸沢へ行くにはアイゼンなどの雪山装備が必須です。
今回の1枚を撮ったときも、十分な雪山装備で臨みました。写真には写りませんが、ものすごく風が強くて体感温度はマイナス10度を下回っていたと思います。12本爪のアイゼンはもちろん、特に西天狗岳の斜面はピッケルがないと登れませんでした。
春の高山に登る人は、この写真の明るい雪景色に惑わされないで準備を整えて行ってください。
撮影場所:北八・天狗岳の中腹
撮影日:2020/3/25
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