この写真を撮ったのは、1999年4月。当時の私は、まだ山歩き初心者でした。この日は、未明にバイクで自宅を出発して伊豆半島の天城山に向かっていました。その途中で見たのが、この朝日です。
撮影時刻と海から昇る太陽の位置関係から伊豆半島の東海岸だと思うのですが、記憶が定かではありません。もしかしたら、小田原から真鶴あたりだった可能性もあります。
いずれにしても、バイクで海岸線を走っているとき、とても神秘的な日の出に目を奪われて、思わずバイクを止めました。
現在、このサイト『絶景360』では主に山の写真を掲載していますが、将来的には海の絶景も増やして行きたいと考えています。そんなこともあって、今週の1枚は海の絶景写真を選びました。
さて、この撮影に使ったのはコダック社のDC210というデジタルカメラです。私が最初に買ったデジカメでした。
当時は、まだまだデジカメ黎明期。このカメラの総画素数は109万画素で、画像サイズは最大1,152×864ドットでした。そして、35mm換算で29~58mmの2倍ズームを搭載していました。
現在、安価な機種でも1000万画素を超えて、上位機種だと2000万画素以上が普通になっていることを考えると、約100万画素は桁違いに解像度が低いと言わざるを得ません。しかし当時は、100万画素を”メガピクセル”と呼んで高級機の扱いでした。DC210の販売価格は81,000円でしたが、当時としては安価で「メガピクセル機が10万円以下で買える!」と言われたものです。
さらに話が逸れますが、写真や印刷の世界では特定の色味が強く出ることを「色が転ぶ」といいます。たとえば、印刷した写真の青みが強いと「青に転んでいる」といった感じ。
分かりやすいところでは、エプソンのインクジェット複合機(プリンター)は青に転びやすく、キヤノン機は赤に転びやすい傾向があります。同じ人物写真を両社のプリンターで印刷して比較してみると肌の色の違いに驚くでしょう。
これは、かつての写真フィルムでも同じで、富士フイルムのポジフィルムは青や緑が鮮やかに出るので風景写真に向いていました。一方、コダック社のフィルムは暖色系が強く出るので紅葉や人物写真が印象的になる傾向がありました。
そのコダック社が出したデジカメDC210も同じ傾向で、赤やオレンジといった色が強いだけでなく、青も紫に近い色になることが多々ありました。ただ、その結果、偶然とても印象的な写真になることがあったのも事実です。この写真も、そうした効果によって実際以上に印象的になっているのかもしれません。
とはいえ当時は、まだまだCCDや画像エンジンの性能が低く、よく見ると空の部分にノイズ(ザラツキ)が発生しています。画像レタッチで抑えたのですが、パソコンの画面で見ると分かります。
それでも、20年以上前に初期のデジタルカメラで撮影した画像データを今もこうして利用できるのは嬉しいことです。
撮影場所:伊豆半島・東海岸
撮影日:1999/4/17
※このサイトには、Google AdSenseから配信された広告が表示されています。