【今週の1枚】奥多摩の山笑う

東京西部の奥多摩には、人気の山がたくさんあります。この写真は、そんな山のひとつ、川苔山に向かう林道で撮ったものです。

奥多摩で有名な山といえば、まず東京で唯一の日本百名山・雲取山。そして、雲取山へと至る石尾根の稜線に並ぶ七ツ石山や鷹ノ巣山。さらに、奥多摩三山といわれる大岳山、御前山、三頭山。大岳山は日本ニ百名山でもあります。手軽に登れる信仰の山、御岳山(みたけさん)も人気がありますね。

こうした山々に引けを取らない名山のひとつが川苔山(かわのりやま)です。この山は、川乗山と表記されることもありますが読み方は同じです。

JR青梅線の終点・奥多摩駅から日帰りで登る山ですが、登山口から山頂までの標高差が約1000mでなかなかの満足感を得ることができます。

この写真を撮ったのは4月の終わり。高山にはまだ雪が残っている季節ですが、この年、奥多摩あたりはすっかり春の装いに変わっていました。

タイトルの”山笑う”は、春が来て、草木が芽吹いて、山がうっすらと色づいた状態を表す言葉で、語源は1000年ほど前の中国の画家の言葉をまとめた書にあるそうです。現在は、俳句の季語になっていて”山笑ふ”とも書きます。

実は、春は絶景写真が撮りにくい季節です。空気中の水蒸気や浮遊物が多くて遠くまで見通すことができません。晴れた日に高い場所に登っても、なかなか遠方の山々をくっきり見ることができないのです。

しかし、こんな淡く美しい景色を見ることができて、詩的な表現が似合う季節。やっぱり”春も”いいな、と思います。

撮影場所:奥多摩・川乗林道
撮影日:2003/4/29

雲取山と七ツ石山の絶景は、以下のページで。

【雲取山】東京の最高地点から奥多摩と奥秩父の山々を望む絶景。
【七ッ石山】奥多摩の名峰から雲取山と石尾根を一望する秀景

この場所へ行くのに最適な地図は、


 

八ヶ岳の林道【今週の1枚】八ヶ岳の森に春が来た

相模湾に昇る神秘的な朝日【今週の1枚】相模湾に昇る神秘的な朝日

関連記事

  1. 奥多摩湖の夜明け、印象的な朝日

    【今週の1枚】奥多摩湖の夜明け、印象的な朝日

    JR青梅線の終点・奥多摩駅から国道411号線を山梨方向へ走ると、やがて正面…

  2. 雪と霧に包まれた蓼科山山中

    【今週の1枚】雪と霧に包まれた蓼科山山中

    3月、里では梅の花が咲き、日差しが眩しくなって、早いところは桜(ソメイヨシ…

  3. 夕暮れの涸沢カール大雪渓

    【今週の1枚】暮れゆく涸沢カール大雪渓

    8月最後の1枚は、北アルプスの涸沢(からさわ)です。3000m級の山に登る…

  4. 光り輝くブナの若葉

    【今週の1枚】光り輝くブナの若葉

    5月、北アルプスなどの高山は、まだまだ雪がたっぷりですが、里山から低山は新…

  5. 真っ赤に紅葉した涸沢のナナカマド

    【今週の1枚】世界一の紅葉@涸沢

    世界で最も紅葉が美しい場所といわれるのが、北アルプスの涸沢です。私…

  6. 厳冬期の西穂高岳

    【今週の1枚】厳冬期の西穂高岳

    冬の北アルプス、それは登山者にとって憧れの領域のひとつではないでしょうか。…

  7. 高尾梅郷の紅白梅

    【今週の1枚】高尾梅郷の紅白梅

    梅の名所は全国各地にありますが、今回は東京の西部にある高尾梅郷の梅の花を紹…

  8. 夏空を映す尾瀬ヶ原の池塘

    【今週の1枚】夏空を映す尾瀬ヶ原の池塘

    尾瀬には複数の入山口がありますが、私が最も多く利用しているのは群馬県側の鳩…

おすすめ記事

  1. 天狗岳タイトル写真3
  2. 赤岳タイトル写真1
  3. 槍ヶ岳から見た山並
  4. 雨飾山の登山道
  5. 北岳タイトル写真5
  6. 剱岳タイトル写真4
  7. 槍ヶ岳タイトル写真4
  8. 奥穂高岳と涸沢岳

カテゴリー

PAGE TOP