【今週の1枚】光り輝くブナの若葉

5月、北アルプスなどの高山は、まだまだ雪がたっぷりですが、里山から低山は新緑が美しい季節。今回の1枚は、奥多摩の檜原都民の森(ひのはらとみんのもり)で撮ったブナの若葉です。

檜原都民の森は、奥多摩三山のひとつ、三頭山(みとうさん)の東南斜面の整備された森で、面積は約200ヘクタール。といってもイメージしにくいと思いますが、森の入口の駐車場あるいはバス停から三頭山の山頂まで徒歩1時間半から2時間くらいです。

森の中には、たくさんの登山道というかハイキングコースがあって、半日程度でサクッと山頂往復もできるし、1日かけていろいろなコースを巡ることもできます。

私はかつて、木々の写真を撮ったり、登山の足慣らしのためにときどき檜原都民の森へ行っていました。そんな中で撮影したのが、今回のブナの写真です。当時は、ブナだけでなくオオカメノキ(ムシカリ)やカエデの新緑も、こんな感じでよく撮っていました。

撮影のポイントは、デジタル一眼レフカメラに比較的明るい単焦点レンズ(50mm)を付けて絞り開放(あるいは開放に近い絞り値)で撮っていること。そして、逆光なのでプラス補正しています。

もう少し詳しく解説しましょう。

当時は、まだミラーレス一眼カメラが少なかったのでデジタル一眼レフカメラを使っていましたが、今ならミラーレス一眼カメラの方がいいかと思います。カメラは高性能な上位モデルではなく、小型で軽量な入門機です。今も、山では”軽さが正義”だと思っています。

レンズは、ズームができない単焦点レンズを使っています。画角を変えることはできませんが、描写力はズームレンズより格段に高いです。しかも解放F値が1.4なので、被写体の背後に少し距離があれば背景がきれいにボケてくれます。

焦点距離は50mmですが、カメラがキヤノン製で撮像素子がAPSサイズだったので1.6倍の80mm相当になります。いわゆる中望遠で、人物撮影に適した画角です。広大な自然を撮るには向きませんが、今回の1枚のように自然の一部を切り取るにはちょうど良くて重宝していました。今は出番が減りましたが、それでも大事に持っているお気に入りの一本です。

デジタル一眼レフカメラかミラーレス一眼カメラを持っているなら、このように明るい(解放F値の数字が小さい)単焦点レンズを使うと楽しいですよ。街中や公園でも、キラキラの若葉を美しく撮ることができます。

撮影場所:奥多摩・檜原都民の森
撮影日:2003/5/13

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