八ヶ岳(やつがたけ)は、話題が豊富な山です。
まず、夏沢峠を境に南八ツ(みなみやつ)と北八ツ(きたやつ)に分けられます。そして、南北それぞれに数多くのピークがあって、それぞれに山の名前がついていて、これらを全部まとめて八ヶ岳と呼びます。つまり八ヶ岳は、ひとつの山の名前ではなく複数の山々が連なる大きな山域ということです。
となると、次に話題になるのが「八つの山頂があるから八ヶ岳でしょ。その八つは、どれとどれ?」という話になります。しかし実際に八つの山頂あるからではなく、単に「多数」という意味で「八」という字が使われているというのが定説です。たくさんの頂がある険しい山域といった意味で「八ヶ岳」と呼ばれているわけですね。
実際、八ヶ岳は、南端の編笠山から北端の北横岳、さらにその北西にある蓼科山まで含めると、おおむね中央アルプスに匹敵するスケールがあります。そして、南八ツは険しい岩稜帯が続き、北八ツはなだらかな山容が広がっているのも特徴です。
八ヶ岳は大昔、富士山より高かったという説があります。それが爆裂噴火によって吹き飛んで、その結果、誕生したのが今の南八ツの山群だそうです。
伝説では、富士山と八ヶ岳が高さを競って富士山が負けた。怒った富士山が八ヶ岳をボコボコにして今の姿になったという話があります。富士山、コワ! 意外と武闘派だったんですね。
キリがないので、このくらいにしておきます。
さて、今週の写真ですが、八ヶ岳の北西にある霧ヶ峰の最高地点・車山の山頂から見た南八ツの全容です。
中央にある最も高いピークが八ヶ岳の最高峰・赤岳(あかだけ)で、そのすぐ右の尖った山が阿弥陀岳(あみだだけ)です。その右のデコボコした山が権現岳(ごんげんだけ)で、一番右が編笠山です。よく見ると、編笠山の手前やや右に西岳(にしだけ)が重なっています。
中央の赤岳から左を見るとギザギザした部分があるますが、ここが横岳(よこだけ)です。その左の丸くなだらかなところが硫黄岳、左端の2つのピークが天狗岳になります。
そして、硫黄岳と天狗岳の間に南北を分ける夏沢峠があります。硫黄岳は遠目にはなだらかですが、実際に登ってみると両側に巨大な爆裂火口壁があって火山の生々しい姿を見ることができます。
撮影場所の霧ヶ峰は、登山というよりドライブで行くイメージだと思います。バイク乗りだった私は、若いころ何度も日帰りツーリングに行きました。諏訪市からビーナスラインを走り、車山肩に車(バイク)を止めて緩やかな登りを40~50分ほど歩くと最高地点の車山の頂上に着きます。そして、この絶景を生で体験することができます。
撮影場所:霧ヶ峰・車山
撮影日:2007/6/16
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