【北岳】日本第2位の高峰で富士山を眺める絶景

北岳タイトル南アルプス北部にある北岳は日本で2番目に高い山。一般的な知名度はイマイチ感がありますが、”哲人”と呼ばれる玄人好みの山です。

北岳タイトル写真1写真1:鳳凰三山から野呂川を挟んで見た北岳。正面に見える崖はバットレスと呼ばれ、岩登りの聖地のひとつ。(撮影:2003/10/24)

北岳タイトル写真2写真2:夜叉神峠から見た春の北岳(奥のピーク)。手前は池山吊尾根で、かつては北岳に至るメインルートでした。(撮影:2002/4/29)

北岳タイトル写真3写真3:甲斐駒ヶ岳の中腹から見た夏の北岳。北岳は、見る角度によって山容が変わる山のひとつ。右奥は間ノ岳。(撮影:2016/8/4)

北岳タイトル写真4写真4:大樺沢から見上げた北岳、これも定番の景色。この日は、初雪をかぶって北岳が白く輝いていました。(撮影:1999/10/21)

北岳タイトル写真5写真5:”哲人”の雰囲気を強調するためにモノクロにしてみた。山とは、人生とは、そんなことを語りたくなる?(撮影:2003/10/25)

※タイトル画像は5秒ごとに変わります。
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山が好きなら一度は登っておきたい屈指の名山、北岳


「日本で1番高い山は?」「富士山!」「じゃあ、2番目は?」「えっと…」「だから1番を目指すんだ、2番じゃダメなんだ!」

と、まぁ、こんな話がありますね。

でもね、ある程度、山に関心がある人なら第2位は北岳だと知っているでしょう。その標高は、3193m。しかも北岳は、いわゆる玄人好みの渋い山なんです。

「山 高きが故に尊からず」というし、かの深田久弥は「百の頂に、百の喜びあり」と言っています。北岳は日本で第2位の高峰ですが、山を評価する基準は標高だけではありません。

北岳の寡黙で落ち着いた雰囲気は”哲人”と称されています。もちろん相応の登りごたえがありますし、山頂から見える景色は見事です。また、隣の間ノ岳へと続く標高3000mの稜線は景色が良いことで知られ、人気があります。天気がいいと、東南方向にずっと富士山が見えます。

ちなみに、山を見るのに最適な場所は、その山と同じくらい高い所とされています。山を麓から見上げると、平べったく見えてしまうんですね。しかし、日本には富士山と同じ高さの山はありません。そこで、第2位の北岳が最も適した場所ということになります。

山頂北側の北岳肩ノ小屋あたり、北岳山頂、そして間ノ岳へと至る稜線、どこからでも富士山を望むことができます。ただし、やや距離があるのと午前中は逆光になるのが少し残念です。また、眼下に雲海が広がっていることも多いのですが、そこは日本一の山、たいていアタマを雲の上に出しています。

では、北岳山頂からの絶景をお楽しみください。

※以下の全天空パノラマ写真(2点)は、画面左下のTHETAの文字をクリックすると、よりワイドな画面でご覧いただけます。
※富士山も写っていますが、雲にまぎれて見えにくいのでTHETAの画面で拡大してみてください。

この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA

夏の朝、北岳山頂で全天球パノラマ写真(撮影:2017/8/2)

この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA

夏の朝、北岳山頂で全天球パノラマ写真(山名ガイド付き)

北岳の名前の由来は、白根三山の最も北の山だから


しかし”北岳”って、平凡な名前ですよね。実は、北岳と間ノ岳、農鳥岳(のうとりだけ)を合わせて白根三山(しらねさんざん)といいます。そして、この三山の中で最も北にあるから北岳と呼ばれるそうです。

ちなみに、”間ノ岳”は三山の真ん中の山だから。そして、北岳と間ノ岳は日本百名山に選ばれています。農鳥岳は百名山には入っていませんが、日本二百名山に選ばれています。ところが農鳥岳には2つのピークがあって、主峰の農鳥岳より隣の西農鳥岳の方が25mも高いという珍しい山です。

白根三山

夜叉神峠から見た白根三山(白い稜線)。右から北岳、間ノ岳、農鳥岳。

北岳の山頂付近だけに咲く可憐な花・キタダケソウも人気


北岳を人に例えるなら、寡黙な紳士のような山じゃないかと思います。派手さはないものの、落ち着きと気品があります。そして、日本で第2位という背の高さ、しかもそれを誇示した感じがない。大人の雰囲気ですね。

ところがもうひとつ、こうしたイメージに反する北岳の名物があります。それは、山頂近くに広がるお花畑。そして、その目玉がキタダケソウです。

キタダケソウは、白くて繊細な花をつける高山植物で、北岳の山頂付近でしか見られない固有種です。花の時期は6月下旬で、まさに梅雨のさかり。

私が山に登る理由は絶景と出会うため。しかし、雨が降っていると絶景は見られません。そのため私は梅雨の時期に北岳に登ったことがなく、まだキタダケソウを生で見たことがありません。

というわけで、私はキタダケソウの写真を持っていないので、どんな花か気になる方はこちら(Googleの画像検索)をご覧ください。

ちなみに、梅雨明け後の夏山シーズン中も山頂付近には見事なお花畑が広がっています。キタダケソウの花の時期が終わっても、美しい高山植物をたっぷり堪能できます。特に山頂の南側、八本歯ノコルや北岳山荘に向かう登山道沿いがスゴイです。

北岳へのアクセス

エリア:南アルプス北部

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①山梨側からバスで広河原に入るのが一般的。登山シーズン中は、JR甲府駅や芦安駐車場から広河原行きのバスに乗ることができる。マイカーは、夜叉神峠登山口から先が通行止め。広河原から白根御池小屋を目指し、草スベリと呼ばれる急な斜面を登って稜線へ。肩ノ小屋を経て山頂へ至る。1日で山頂まで上がることも可能だが、白根御池小屋か肩ノ小屋で一泊するのが一般的。

②同じく広河原からスタートして、大樺沢(おおかんばさわ)を登り二股(ふたまた)へ。そこから左俣コースを行き、八本歯のコルを経て山頂へ行くコースもある。二股から右股コースを登り、肩ノ小屋を経由して山頂へ行くこともできる。

③奈良田温泉から大門沢登山道を登って稜線へ。そこから農鳥岳と間ノ岳を経て北岳へ行く縦走ルートもある。途中で最低一泊は必要な本格的なコース。もちろん、北岳から間ノ岳、農鳥岳へと進む逆コースもすばらしい。

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