【今週の1枚】五竜島と鹿島槍ヶ島

この記事のタイトルは間違っています。正しくは「五竜岳と鹿島槍ヶ岳」です。

しかし、雲海の上に頭を出した五竜岳(左)と鹿島槍ヶ岳(右)が島のように見えませんか。その上には、清々しい秋の空が広がっています。

撮影場所は、北アルプスの立山エリアと剱岳エリアを分ける別山乗越の近く。剱御前小舎から剱御前の方へ少し行ったあたりだったと記憶しています。時刻は、午後3時16分ころです。

撮影場所と、五竜岳や鹿島槍ヶ岳が連なる後立山(うしろたてやま)連峰の間には深い谷があって黒部川が流れています。下ノ廊下と呼ばれるあたりで、登山道もあります。しかし、残雪が多いため通行できるのは秋の一時期だけと聞いています。私は、まだ行ったことがありません。

もし、このとき下ノ廊下にいたら頭上は雲に覆われていたでしょう。もしかしたら小雨が降っていて、「今日は、あいにくの天気だ」と思ったかもしれません。

よく見ると山の向こう側にも雲があるので、白馬村も曇りだったのではないでしょうか。

ちなみに、同じ日の昼前(11時23分ころ)に撮った写真を見ると山の手前には雲海がありません。しかし、山の向こう側には雲が見えるので、白馬村は既に曇っていた可能性が高いです。

五竜岳と鹿島槍ヶ岳


登山をしていると、登山口は曇り、登っていくと雲の中、つまりガスに包まれた状態。そして、それを抜けると山頂部が晴れていることがあります。今回の1枚を撮ったときは、その状態ですね。

このとき五竜岳か鹿島槍ヶ岳の山頂にいたら、立山と剱岳が同じように山頂部だけ見えていたでしょう。

気象の専門知識があるわけではないですが、おそらく海から谷へ湿った空気が流れ込んでいるのでしょう。そして、標高が上がると空気中の水分が雲になります。一方、雲より上は乾いた空気に覆われているのだと思います。雲の上端が、その境界ですね。

普段、天気予報を見るときは平面的な天候の変化を気にしますが、山では縦の変化もあります。この写真とは逆に、平野部から山の中腹まで晴れているのに山頂部だけ雲の中というケースも多いです。そんなときは山頂で絶景を見る(撮る)ことができません。実際、何度も悔しい思いをしています。

天気が安定するのは、その山域を含む広いエリアが高気圧に覆われているときです。青空が広がって、山頂から周囲の山々を見渡すことができて景色も気分も最高です。

しかし、絶景中の絶景写真が撮れるのは、雲が上がったり下がったり、あるいは部分的に雲がかかったりして絶妙な景色をつくっているとき。さらに、それが夕日や朝日の時間だったら、一生に数回あるかどうかの幸運といっても過言ではないと思います。

撮影場所:北アルプス・別山乗越付近
撮影日:2018/10/3

ここへ行くのに最適な地図は、

[PR]この地図をAmazonで見る。

※このサイトには、Google AdSenseから配信された広告が表示されています。
※この記事には、アフィリエイト広告が含まれています。

涸沢の黄葉【今週の1枚】理想の秋景色@涸沢

浅間山の秋の朝【今週の1枚】浅間山に秋と朝が来た!

関連記事

  1. 鏡平から望む穂高連峰の夕景

    【今週の1枚】鏡平から望む穂高連峰の夕景

    今回の写真は、ナショナルジオグラフィック誌に掲載されたアメリカの山のような…

  2. 冬晴れの田貫湖

    【今週の1枚】冬晴れの田貫湖

    田貫湖(たぬきこ)は、富士山の西側にある小さな湖です。この名前を聞…

  3. 夏空を映す尾瀬ヶ原の池塘

    【今週の1枚】夏空を映す尾瀬ヶ原の池塘

    尾瀬には複数の入山口がありますが、私が最も多く利用しているのは群馬県側の鳩…

  4. 【今週の1枚】八幡平のドラゴンアイ

    今回の写真は、八幡平の名物"竜の目"です。5月末から6月初旬、里は…

  5. 冬の奥多摩、海沢大滝

    【今週の1枚】初冬の滝はひっそり輝く

    今回の写真は、奥多摩の海沢(うなざわ)大滝です。撮影時期は12月中…

  6. 雪と霧に包まれた蓼科山山中

    【今週の1枚】雪と霧に包まれた蓼科山山中

    3月、里では梅の花が咲き、日差しが眩しくなって、早いところは桜(ソメイヨシ…

  7. 尾瀬ヶ原に群生するカキツバタ

    【今週の1枚】カキツバタが群生する尾瀬ヶ原

    7月、山は初夏です。そして、夏山シーズンが始まる時期です。実際には、梅雨が…

  8. 伊那前岳から望む朝焼けの北アルプス

    【今週の1枚】中央アルプスから望む朝焼けの北アル…

    山で迎える朝日と夕陽は、いつも感動的なシーンを演出してくれます。太陽そのも…

おすすめ記事
  1. 鳥海山タイトル写真8
  2. 赤岳タイトル写真1
  3. 槍ヶ岳から見た山並
  4. 雨飾山の登山道
  5. 北岳タイトル写真5
  6. 剱岳タイトル写真4
  7. 槍ヶ岳タイトル写真4
  8. 奥穂高岳と涸沢岳
PAGE TOP