八ヶ岳の北端に位置する蓼科山(たてしなやま)。諏訪富士とも呼ばれ日本百名山に選ばれています。でも、その山頂の景色はちょっと意外です。
写真1:美ヶ原から遠望した夏の蓼科山。薄っすらとした陰影だけで蓼科山と分かる、意外に個性がある山だと思う。(撮影:2003/8/24)
写真2:霧ヶ峰・車山の中腹から見た蓼科山。手前の湖は白樺湖。こうして見ると、あまり個性がない普通の山に見える。(撮影:2017/10/26)
写真3:八ヶ岳の天狗岳から見た蓼科山。右手前は北横岳で、奥の雪山は北アルプス。季節や見る場所で印象が変わる。(撮影:2020/3/25)
写真4:白樺高原のスキー場から見た早春の蓼科山。雪を頂いた山頂が”諏訪富士”の名にふさわしい、美しい山だと思う。(撮影:2001/3/18)
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諏訪富士の山頂は意外な景色が広がっている
私の感覚では、蓼科山は八ヶ岳の一部です。そもそも八ヶ岳は、たくさんの山頂がある山群の総称で八ヶ岳連峰と呼ぶべき山だと思います。
そして八ヶ岳は、大きく南八ヶ岳と北八ヶ岳に分けられていて、主峰(最高峰)は南八ヶ岳の赤岳。一方、北八ヶ岳には天狗岳があって、こちらは二百名山に入っています。
そして、八ヶ岳連峰の北端にそびえ立つのが蓼科山です。標高は2531m。ほかの八ヶ岳の山々が十把一絡げで”八ヶ岳”なのに、何で蓼科山だけが独立して百名山なの? という感じがします。
深田久弥の「日本百名山」を読むと、その理由が分かります。八ヶ岳の項は、中央線から見た八ヶ岳の描写から始まっていて、ほぼ南八ヶ岳の話に終始しています。一方、蓼科山の項は中仙道の佐久あたりから見た話から始まっています。つまり、同じ連峰の南側と北側から一座ずつ選んだわけですね。
とはいえ、確かに蓼科山は単独で日本百名山に選ばれるに相応しい山だと思います。なかなか恰好いいし、けっこう目立つし。見る方角にもよりますが、円錐形の山頂部は”諏訪富士”と呼ばれるのも納得です。
ところが山頂まで行ってみると、本物の富士山とはだいぶ様子が違います。富士山の山頂部は、直径約700mの巨大な穴です。つまり、噴火口です。その様子は、こちらで。
一方、蓼科山の山頂部は広くて平坦です。大きな岩がゴロゴロしているので、蓼科山も火山だということは想像に難くありません。でも、まったく成り立ちが違うんですね。
広くて平坦な山頂部の東南側に少しだけ高くなった場所があって、そこに山頂の標識が立っています。
山頂部の中央あたりが少し低くなっていて(実感はありません)、これが火口の名残だそうです。そこに小さな祠があるのですが、その前に立つと周囲の山はほとんど見えません。
では、そんな景色を360°全天球パノラマ写真をご覧ください。
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この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
蓼科山の山頂で全天球パノラマ写真(撮影:2017/10/26)
この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
蓼科山の山頂で全天球パノラマ写真(山名ガイド付き)
続いて、山頂部中央の祠の前でもう1枚。
この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
蓼科山の山頂中央で全天球パノラマ写真(撮影:2017/10/26)
余談ですが、なぜか私は雪の蓼科山に縁があるようです。
最初に登ったのは2001年3月。このときは雪山体験ツアーだったので、当然、雪景色でした。ただ、ガスに巻かれて山頂部の展望はまったくありませんでした。そのとき撮ったのが下の2枚です。
下山の途中で晴れてきて、登山口のスキー場から見上げたのがタイトル写真の4枚目です。このとき山頂に居たかった。。
2回目は、2017年10月。まだ雪はないと思っていたのですが、前日に初雪が降って山の上半分が白くなっていました。秋の日差しを受けて、下山のころにはだいぶ雪が解けたのですが、山頂では白の方が目立ちました。
ただ、1回目と違って2回目は晴天に恵まれたので、黒い岩と、白い雪と、青い空のコントラストがとても印象的でした。その美しさが、全天球パノラマ写真で伝わるといいのですが。
蓼科山へのアクセス
エリア:長野県・八ヶ岳の北部
この山へ行くのに最適な地図は、
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①山頂への最短ルートは、北側の七合目登山口から将軍平へ上がり、山頂部の急坂を登るコース。蓼科牧場から白樺高原国際スキー場のリフトで七合目登山道の手前まで上がることもできる。
②南西側の蓼科山登山口から急斜面を直登するコースもいい。登山口の近くに駐車場があるが、バスの便が少ないのが残念。
③東側の大河原峠から将軍平に上がったり、南側の沢沿いを歩いてから将軍平に上がるコースもある。
どのルートでも時間差は少なく日帰りで登ることができる。ただ、将軍平と山頂直下に山小屋があるので、余裕があれば山の上で一泊するのもいい(要予約)。