森はいいですよね。森は本当に美しいと思います。新緑もいいし、紅葉もいい。そして山では、落葉した後の森もまたきれいです。
今回の1枚は、尾瀬の一角にある燧ケ岳(ひうちがたけ)の山頂付近から見下ろした秋の森です。撮影したのは10月11日、里ではまだ紅葉が始まるかどうかというタイミングですが、標高が高い場所では既に落葉が進んで晩秋の装いでした。
後ろ(画面上部)に写っている緑の木は杉か檜だと思いますが、画面の大部分を占める白い樹形はダケカンバです。枝の先に、わずかに黄色い葉が残っていますが、大部分は落ちて複雑な枝ぶりが露わになっています。
秋の高山では、このような光景がよく見られます。そして私は、こうした景色を見るとアタマの中でシンフォニーオーケストラの演奏が響く気がします。まず、低めの管楽器か弦楽器のフォーーーンとかヴゥーーーンといった音がして、その後にリズミカルなメロディーが続く感じ。皆さんは、この写真から、どんな音を感じるでしょうか。
ちなみに、ダケカンバは白樺と同じ仲間です。幹や枝が薄茶色で、幹の皮が薄くはがれるのが特徴です。ほかにも見分け方があるようですが、避暑地にある幹が真っすぐで白い木が白樺、そして、より高い山にある薄茶色の木がダケカンバといった認識で概ね大丈夫だと思います。
しかし実は、里に生えているダケカンバもあって、その場合は高く真っすぐ成長するそうです。高山で、特に雪が多い地域のダケカンバは背が低く、幹や枝が曲がって複雑な形をしています。特に豪雪地帯では、雪の重みで根本が曲がっていることもあります。
今回の写真は光が均一にまわっていますが、谷筋では枝先だけ光が当たって下の方は陰になっていることがあります。それもまた、とても美しい瞬間です。
秋、高い山に登ったら、こうした景色を探すのも楽しいのではないでしょうか。
撮影場所:燧ケ岳の山頂付近
撮影日:2002/10/11
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