今回は、山梨県の鉄砲木ノ頭で撮った南アルプスの写真です。実際には、ほぼ空の写真ですが。
富士山の東側にある山中湖、その東南に鉄砲木ノ頭(明神山)と呼ばれるピークがあります。山梨県と神奈川県の境にあって、すぐ南は静岡県との境でもあります。
この鉄砲木ノ頭は、眼下に見下ろす山中湖と富士山を一望できる絶景ポイントです。すぐ近くを県道730号線が走っていて、その県道脇にパノラマ台と呼ばれる展望スポットがあります。
そこからでも十分に絶景を楽しめるのですが、パノラマ台か三国峠に車を停めて鉄砲木ノ頭まで登ると、さらに展望が良くなります。どちらから登っても約30分ですが、寒い時期には相応の装備が必要です。
ちなみに、パノラマ台で撮った山中湖と富士山の写真は、こちらの記事のタイトル写真に使っています。
といった富士山と山中湖の絶景ポイントで、敢えて南アルプスだけ撮ったのが今回の写真です。この山並は、富士山の右側、山中湖の奥に見ることができます。左から、塩見岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳を確認できます。
しかし、南アルプスの写真といいながら画面はほとんど空です。こんな構図にしたのは、2つの理由があります。
まず、余計なものを画面から消すため。右側の手前に黒い山が写っていますが、実はこの中腹に白い建物があります。これが、すごく目立つんです。山並より、この建物に目が行ってしまうので画面から外そうとしたら、こんな構図になりました。
もうひとつは、山の写真を撮っているうちに自分の意識が変わってきたこと。
初期の山岳写真は、取りたい山を画面の真ん中か、真ん中より少し上くらいに入れる、いわゆる日の丸構図が多かったように思います。まずは目的の山が撮れていること、そして全体の姿かたちが分かることが大事でした。
その後、空をギリギリまで削って山を大きく高く見せる構図が流行った時期がありました。いうなれば、山のドヤ写真という感じです。しかし最近は、その傾向が薄れて、適度に空を入れたバランスのいい構図が多くなったように思います。
私も、そんな写真を撮ることが多いのですが、自分の中でだんだん意識が変化してきたのを感じています。確かに山は高い、その大きさや雄大さを表現するのが山岳写真の基本でしょう。
しかし、さらに視点を広く取ると横への広がりも大きい。山の上にある空は、もっと大きい。そして、空の先は宇宙です。山は、地上にいながら宇宙を感じられる場所だと思っています。
そんなことを考えているうちに、山だけでなく、その上に広がる空や宇宙まで一緒に撮りたくなってきました。そして、今回のような空が広い構図が好きになってきました。
こんなに山の面積が小さくなっても、その威厳は失われていないと思います。むしろ、広大な宇宙と対峙する山の姿に雄大さを感じます。
なんて、いろいろ書きましたが、結局は「こういう構図も好きなんですよ」ということなんですが。
撮影場所:鉄砲木ノ頭
撮影日:2024/3/22
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