今回の写真は、朝日を受けて赤く染まった剱岳です。立山の主峰・雄山の山頂から撮りました。
朝日を受けて山が赤く染まった様子をモルゲンロート(Morgenrot)といいます。本来はドイツ語で「夜明け」という意味だそうですが、山では一般に「朝焼け」といった意味になっています。
モルゲンロートは、山ではよく見聞きする言葉です。朝日を受けて山が赤く染まっていたら、それはモルゲンロートです。北アルプスの涸沢のモルゲンロートが有名ですが、どの山域でも条件が合えば見ることができます。
モルゲンロートは山が最も美しく見える瞬間ですが、ピークはわずか数分です。逆に、夕陽を受けて赤くなった状態をアーベントロート(Abendrot)といいます。これもまた印象的で美しい瞬間ですが、光のシャープさはモルゲンロートの方が勝ります。
なので、山で感動的な景色を見たい人や、カッコいい写真を撮りたい人は、日の出と日の入りの時間が狙い目です。できれば30分くらい前から準備を整えて、そのときを待ちたいところです。
また、日の出の際は、太陽が出るのは一瞬ですが、周囲の山々に日が当たるのは同時ではありません。高い山の山頂部から順に低い場所へと光が当たっていきます。これを見るのも感動の連続です。
ちなみに、今回の写真を撮ったのは、東側に広がった低い雲海から太陽が昇った約10分後です。まず、剱岳の山頂部に光があたり、その光がだんだん下がってきて、次に別山を照らし、真砂岳にも光が当たってきました。
最も高いギザギザの山が剱岳で、その手前の台形状の山が別山、さらに手前の小さく雪が残る山が真砂岳です。画面右側の大きな斜面は立山の一角で、富士ノ折立の下あたりになります。
剱岳は岩山なので黒っぽく、赤味が少ないですね。一方、真砂岳は白砂の山なので、より赤く染まっています。
朝日や夕陽の瞬間に、もうひとつ注目したいのが周囲の山並に沿った空の色です。太陽が昇る東の空や、日が沈む西の空だけでなく、360度ぐるりと赤っぽくなり、とても美しくて感動的です。
なお、夕陽に染まった剱岳の写真は以下の記事で見ることができます。
撮影場所:北アルプス・立山の稜線
撮影日:2018/10/3
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