御前山(ごぜんやま)、大岳山(おおだけさん)、三頭山(みとうさん)は奥多摩三山と呼ばれていて、なかでも形の美しさは御前山がピカイチです。
写真1:大岳山から見た御前山(手前やや右の大きな山)。その左奥が三頭山。2つの山の間、最も奥に見えるのは大菩薩嶺。(撮影:2019/4/9)
写真2:山梨県の鶏冠山(けいかんざん)から見た御前山。東側から見ても、西側から見ても、同じように端正な姿を見せる。(撮影:2020/9/9)
写真3:山梨県の大菩薩峠から見た奥多摩三山。左から御前山、大岳山、三頭山。やはり、御前山は美しい。(撮影:2018/10/30)
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奥多摩三山の中で最もカッコよく、登って楽しい山
奥多摩三山は、それぞれ個性があります。大岳山(標高1266m)は東京で唯一の二百名山で、ユニークな形をしています。どこから見てもすぐに分かるので、奥多摩の山の目印にもなっています。
三頭山(標高1531m)は、南東斜面が檜原(ひのはら)都民の森としてたくさんの登山道が整備されています。初心者でも手軽に楽しめる山です。
そして御前山(標高1405m)の特徴は、なんといっても山容の美しさだと思います。奥多摩三山の中ではやや地味な感じもしますが、いつどこから見ても「やっぱ、御前山はカッコいいな!」と思います。
今回の全天球パノラマ写真を撮影したのは4月中旬。前日、東京(八王子)は雨でした。いくら奥多摩とはいえ「この時期に雪はないだろう」と思ったのですが、御前山の上半分は雪が積もっていて、念のため持って行った6本爪のアイゼンが役に立ちました。
では、山頂からの360°全天球パノラマ写真をどうぞ。木々の間に見える白い山並みは、奥多摩の石尾根と埼玉県との境にある都県境尾根です。
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この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
春雪の御前山山頂で全天球パノラマ写真(撮影:2020/4/15)
ちなみに、雪がない山頂はこんな感じ。
御前山は、いつ登っても楽しい山です。程よく山登り感を味わうことができます。特に、4月末から5月初旬は山頂付近でカタクリの群生が花を咲かせます。これを目当てに、この時期に登る人が多いようです。
カタクリは、花を付けるまで7年くらいかかるといわれます。また、山の花を平地に植えると成長しすぎて山で見るような美しい姿にはならないそうです。「とっていい」のは写真だけ、花の持ち帰りは厳禁です。
御前山へのアクセス
エリア:関東南部・奥多摩
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①山頂への最短ルートは、東側の大ダワという峠から鞘口山(さいぐちやま)を経て山頂へと向かうコース。ただし、大ダワへと至る鋸山(のこぎりやま)林道は、ほぼいつも通行止め。そのため、北側のJR奥多摩駅か、南側の神戸岩(かのといわ)から林道を歩いて登る必要がある。となると、それなりの登山となる。
②次にアプローチしやすいのは、西側の奥多摩周遊道路から御前山を目指すルート。月夜見第2駐車場からアップダウンの少ないコースを2時間ほど歩くと山頂に着く。ただし、バスの便はない。
③北側の栃寄(とちより)から奥多摩都民の森を登るコースは、距離は短いものの標高差がある。電車の場合は奥多摩駅からバスで境橋へ。車の場合は、栃寄森の家の手前に登山者用駐車場がある。
④個人的に好きなのは、奥多摩湖(小河内ダム)からサス沢山と惣岳山(そうがくさん)を経て御前山へと至るルート。途中の展望台から、奥多摩湖と大菩薩嶺が見える。奥多摩駅から奥多摩湖へはバスがあるし、駐車場も広い。
⑤このほか、南側の御前尾根から御前山へと至るルートもある。
⑥一日の山歩きとしては、①と④を組み合わせて、奥多摩駅→鋸山(のこぎりやま)→御前山→奥多摩湖へと周遊するコース、あるいはこの逆のコースがほどよい行程ではないかと思う。奥多摩駅と奥多摩湖の間はバスがある。