【鳥海山】2つの山頂で朝の絶景を満喫する

鳥海山タイトル鳥海山(ちょうかいさん)は、山形県と秋田県の境(山頂は山形県)に位置する百名山。見た目がカッコいいし、いろいろな魅力がある山です。

鳥海山タイトル写真1写真1:月山八合目の湿原・弥陀ヶ原から見た鳥海山。左側の裾野が、真っすぐ日本海まで伸びている。海に近い山だ。(撮影:2023/8/8)

鳥海山タイトル写真2写真2:象潟口コースを登り始めてすぐ、鉾立展望台から奈曽渓谷越しに見た鳥海山の山頂部。この深い谷も鳥海山の一部。(撮影:2023/8/9)

鳥海山タイトル写真3写真3:小浜小屋の前で撮影した、鳥ノ海(鳥海湖)と山頂部。ここらあたりは、なだらかな高原状の山容で歩きやすい。(撮影:2023/8/9)

鳥海山タイトル写真4写真4:御田ヶ原から望む、鳥海山の山頂部。左側のピークが最高点の新山で、右側のギザギザは外輪山。その間に千蛇谷。(撮影:2023/8/10)

鳥海山タイトル写真5写真5:外輪山(行者岳あたり)から見た新山。鳥海山大物忌神社と山小屋が見える。すごい場所に建っていてビックリ。(撮影:2023/8/9)

鳥海山タイトル写真6写真6:外輪山の最高峰・七高山(しちこうさん)。夜明け前、御来光を待つ人のヘッドライトが光る。感動の瞬間が近い。(撮影:2023/8/10)

鳥海山タイトル写真7写真7:七高山から見た夜明け前の新山。何とも神秘的な岩峰の姿に身震いする思い。その向こうには日本海が広がっている。(撮影:2023/8/10)

鳥海山タイトル写真8写真8:七高山から見た朝日に染まる新山。感動の瞬間が来た。左側の三角形は、日本海に映る影鳥海(かげちょうかい)。(撮影:2023/8/10)

鳥海山タイトル写真9写真9:鳥海山の北側、仁賀保高原の大潟溜池に映る鳥海山。南から見ても北から見ても、左右に裾野を広げる姿が美しい。(撮影:2023/8/8)

※タイトル画像は5秒ごとに変わります。
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東北第2位の高山、美しさと険しさの二面性も魅力


鳥海山は、いつかは登りたい憧れの山でした。まず何といっても、その姿が美しい。日本海から伸びあがる稜線が素晴らしく魅力的です。

しかし、タイミングが難しい山だと思っていました。鳥海山(新山)の標高は2236m。尾瀬の燧ケ岳に次いで、東北で第2位の高さです。

海を渡ってきた風が高い山にぶつかると、山の上に雲ができます。特に冬は、そのために豪雪となります。夏でも、湿気を含んだ風が山にあたると山頂部に雲がかかります。

鳥海山は、深田久弥の『日本百名山』だけでなく、田中澄江の『花の百名山』『新・花の百名山』にも選ばれています。深田さんが登ったときはみごとな秋晴れだったそうですが、田中さんが登ったときは小雨まじりの曇天で山の上は霧に包まれていたそうです。

山頂で360°全天球パノラマ写真を撮りたい私としては、是が非でも晴れた日に頂に立ちたい。そのため、天気のタイミングを見計らって登る必要があると考えていました。

チャンスが来たのは、2023年8月でした。他の山へ行くつもりだったのですが、どうも天気予報がよくない。一方、東北の日本海側は数日間の晴れ予報。ということで、急きょ予定を変更して月山と鳥海山を目指しました。

まず月山に登ったのですが、山頂部は暑い雲に覆われて、ときどき小雨が混じる状態。しかも、風が強い。登頂はしたものの『絶景360』の取材としては失敗でした。

翌日、朝から鳥海山に登りました。午前中は、とても良い天気に恵まれました。しかし、お昼に近づくにつれて山頂部に雲が湧いて、最高点の新山はガスに巻かれていました。

翌朝、まず外輪山の最高点である七高山(標高2229m)へ向かいました。暗いうちに山頂へ。ガスは晴れていて、御来光と朝日に輝く新山を撮影。その後、新山へ移動して鳥海山山頂のパノラマ絶景を堪能しました。

新山の山頂部はガラガラの大岩が積み重なっていて、まさに岩の城です。途中までの伸びやかな緑の大地とはまったく山容が異なります。この二面性も、鳥海山の魅力だと思いました。

では、まず七高山の山頂で撮った御来光と新山の絶景をどうぞ。

以下のサムネイルをクリック(タップ)するとリンク先にある360°全天球パノラマ写真を見ることができます。PCは全画面表示、スマホは横向きもお勧めです。


七高山の山頂で御来光の全天球パノラマ写真(撮影:2023/8/10)

続いて、新山で撮った朝の絶景です。


新山の山頂で朝日の全天球パノラマ写真(撮影:2023/8/10)

もうひとつ、ジンバルカメラでも360°パノラマ映像を撮ったので載せておきます。

新山の山頂から望む360°パノラマ映像(撮影:2023/8/10)


“花の百名山”でもある鳥海山に固有種が咲く


前述のように、鳥海山は田中澄江の『花の百名山』『新・花の百名山』に選ばれています。『花の百名山』『新・花の百名山』では、まず各山を代表する花が選ばれて、その花に田中さんが会いに行った記録が著されています。

鳥海山の花は、チョウカイフスマです。運よく、私も出会うことができました。この写真は、外輪山の文殊岳の近くで撮影したものです。

チョウカイフスマ

チョウカイフスマ

続いて、やはり『花の百名山』の鳥海山の項に登場するチョウカイアザミです。こちらは、賽ノ河原から小浜小屋へ行く途中で撮影しました。

チョウカイアザミ

チョウカイアザミ

ほかにも、たくさんの花に出会ったのですが、植物に疎い私は、そのほとんどの名前が分からず残念な思いをしました。

猛烈な風と薄い土壌が記憶に残った鳥海山


この山行では、タイミングよく好天に恵まれたことに感謝しています。ただ、2日目は非常に強い風に難儀しました。特に扇子森(せんすもり)あたりは、真っすぐに立てないほどの強風が休むことなく吹き続いていました。

思えば、隣の月山や山陰の大山(だいせん)も風が強烈でした。やはり日本海側の山は風が強いのでしょうか。鳥海山は、私の強風体験の中でもトップ3に入るレベルでした。

この強風が影響しているのか詳しいことは分からないですが、高山植物が豊富な鳥海山の土壌は、実は極めて脆弱なのではないかと思うところがありました。鳥海山は登山道が、とてもよく整備されていたのですが、その横に裸地が広がっている場所があったのが気になります。

鳥海山の登山道

鳥海山の登山道と裸地

鳥海山は比較的新しい火山ということで、まだ十分に土が涵養されていないだけなのかもしれません。しかし、数百年かけて成長してきた草原も、登山者が足を踏み入れれば数年でガレ場になります。デリケートな環境を大切にしたいと思いました。

鳥海山へのアクセス

エリア:東北地方
この山へ行くのに最適な地図は、


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①ポピュラーなのは、山の北西の鉾立から入る象潟口コースか西側の大平登山口から入る吹浦口コース。2つのコースは小浜小屋分岐で合流する。その先の七五三掛(しめかけ)までは、なだらかな高原状の登山道が続く。

七五三掛から先は山容が一変して険しい道になる。新山を目指すなら千蛇谷コースを登って、まず鳥海山大物忌神社へ。神社からは険しい岩稜を這い上がって山頂に至る。七高山を目指すなら外輪山コースを回るといい。

鉾立または大平から日帰りの場合は、千蛇谷コースを登って外輪山コースを下る人が多いように感じた。

②南側には湯ノ台口コース、東側に百宅口コース、北東側には猿倉口コースがあるが、私は歩いていないので状況は分からない。距離的には湯ノ台口コースが最短に見えるが、登山地図で見る限りどのコースも大差ないように思える。

③バスでアプローチする場合は、南西側の長坂道コースか二ノ滝コース、あるいは蕨岡口コースを行くのが一般的かと思う。どのコースも距離が長いので日帰りは難しい。

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