山梨と長野の県境にある甲斐駒ヶ岳は、南アルプスのなかで最も北にある百名山。標高は2967mで、その美しさは南アルプス随一だと思う。
写真1:北岳の肩の少し上から見た朝の甲斐駒ヶ岳。右下の建物は肩の小屋、右上の雲海に浮かぶ山並みは八ヶ岳。(撮影:2017/8/2)
写真2:仙丈ケ岳から小仙丈ヶ岳に至る稜線から見た朝の甲斐駒ヶ岳。右斜面のコブのように突き出した塊が摩利支天。(撮影:2016/8/3)
写真3:鳳凰三山・地蔵岳の近くから見た甲斐駒ヶ岳。右側の斜面が黒戸尾根。奥に見える白い山並みは北アルプス。(撮影:2003/10/24)
写真4:山梨県・乾徳山から遠望した甲斐駒ヶ岳。左のコブが摩利支天で、右側に連なるギザギザは鋸岳。(撮影:2002/9/2)
写真5:塩見岳から見た甲斐駒ヶ岳。雪のように白く見えるのは花崗岩。頂上付近はザレ場が続き、歩きにくい。(撮影:2019/10/9)
写真6:塩見小屋の少し上から見た、夕陽に染まる甲斐駒ヶ岳。山々が、昼間とはまた違った趣を見せている。(撮影:2019/10/9)
写真7:山梨県・みずがき山自然公園から遠望した、夕照に浮かぶ甲斐駒ヶ岳のシルエット。独特の形が印象的だ。(撮影:2020/11/17)
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夏の朝、白砂がまぶしい甲斐駒ケ岳山頂で全天球パノラマ写真
山梨、長野、静岡の3県の堺に位置し、南北約120Kmに及ぶ南アルプス(赤石山脈)。深田久弥は日本百名山として南アルプスから10座を選んでいますが、甲斐駒ケ岳はその中で最も北にあります。そして、見てよし登ってよしの人気の山です。
中央自動車道を東京方面から松本方向に走り、甲府を超えると左側に高い山並みが見えてきます。甲斐駒ケ岳はその一角にあって、カッコいい山容と付随する摩利支天の異様さに目を引かれます。
一度その形を覚えれば、遠くからも見分けることができるでしょう。また、南側斜面は夏でも雪が積もったように白く見えます。これは、花崗岩が崩れてできた真砂に覆われているためです。
山頂からは、南アルプスの主要な山はもちろん、北アルプスや中央アルプスの山並み、八ヶ岳や富士山も見ることができます。甲斐駒ヶ岳自体が美しく、登る価値のある山だと思いますが、天候に恵まれたときの展望も最高です。
また、東京方面からも名古屋方面からもアクセスしやすいのも、この山の魅力だと思います。これらの地域からは、北アルプスより行きやすいのではないでしょうか。
そんな甲斐駒ヶ岳の山頂で撮った360°全天球パノラマ写真をお楽しみください。
※画面左下のTHETAの文字をクリックすると、よりワイドな画面でご覧いただけます。
この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
夏の朝、甲斐駒ヶ岳の山頂で全天球パノラマ写真1(2016/8/4)
まだ午前8時10分なのに南東に夏雲がわいて、残念ながら北岳などいくつかの山が隠れてしまった。見通しが良い日には富士山や北アルプスも見える。
この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
夏の朝、甲斐駒ヶ岳の山頂で全天球パノラマ写真1(山名ガイド付き)
雲で見えない山々も、だいたいの方向が分かるようにカッコ付きで山名を入れた。
この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(https://zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
夏の朝、甲斐駒ヶ岳の山頂で全天球パノラマ写真2(2016/8/4)
山頂の北東側で、もう一枚。祠の正面はこちら側で、わらじが奉納されている。一等三角点は祠の裏にある。
日本全国にある”駒ヶ岳”の中で最も高い甲斐駒ヶ岳!?
駒ヶ岳と呼ばれる山は日本各地にあって、日本百名山に選ばれているものだけでも甲斐駒ヶ岳、木曽駒ケ岳、会津駒ケ岳、越後駒ケ岳の4座があります。また、中央アルプスには木曽駒ケ岳のほかに南駒ヶ岳もあります。このほか、秋田駒ケ岳や箱根の駒ヶ岳、北海道の駒ヶ岳も有名です。
このほか、単に駒ヶ岳と呼ばれたり、別名が駒ヶ岳だったり、過去に駒ヶ岳や駒ヶ嶽と呼ばれた山を数えると20座前後になるそうです。
これら数ある駒ヶ岳の中で、最も標高が高いのが甲斐駒ヶ岳(2967m)だといわれています。次が木曽駒ケ岳で2956m、以下、南駒ヶ岳が2841m、会津駒ケ岳が2133m、越後駒ケ岳が2003m、秋田駒ケ岳(男女岳)が1637mとなっています(四捨五入の方法によって標高が異なることがあります)。
ところが、実は富士山の山頂部にも駒ケ岳があります。富士宮口からお鉢のフチにある浅間大社奥社まで登ると、その傍らに小高いピークがあって、これも駒ヶ岳と呼ばれています。そして、その標高は3710m。
「えっ、だったら甲斐駒は2位!?」ということになりますが、独立した山容を持つ駒ヶ岳のなかでは甲斐駒ヶ岳が一番。そして、それに見合う登りがいのある山だと思います。
ちなみに、最も登頂が難しい百名山のひとつといわれる北アルプスの剱岳の標高は2999m。甲斐駒ヶ岳と同様、わずかに3000mに及びません。しかし、山の存在感としては、北の剱も南の甲斐駒もエース級。やはり、高さではないと思います。
そして、剱岳の早月尾根ルートも甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根ルートも登山口から山頂までの標高差が約2200m、2日がかりでほぼ直登する名物コース。個人的には、どちらも大好きな山です。
さて、駒ヶ岳という名前の由来は、春になると山の斜面に馬(駒)の形をした雪形(雪が解けた部分の形が馬に見える)が現れて、それが農作業を始める目安になっていたから、という話をよく聞きます。
ほかにも、馬の形の岩があるとか、馬にまつわる伝説があるとか、諸説あるようです。少し調べてみたのですが、残念ながら甲斐駒ヶ岳の名前の由来を特定することはできませんでした。
前半の”甲斐”は、現在の山梨県を昔は「甲斐」と呼んでいたためで、「甲斐の国にある駒ヶ岳」ということで間違いないでしょう。これは、木曽も会津も越後も同じだと思います。越後駒ケ岳は、より限定して魚沼駒ケ岳と呼ばれることもあります。
なお、甲斐駒ヶ岳と木曽駒ケ岳に挟まれた長野県・伊那地方では、甲斐駒ヶ岳を東駒ケ岳、木曽駒ケ岳を西駒ケ岳と呼んでいたそうです。ただし、これはインターネット上で見つけた情報で自分で現地調査したわけではありません。
山名にまつわる話は、長い歴史の中で変化したり、当て字が使われるようになったり、誤った呼び方が定着したり、いろいろあってキリがないので、このあたりで終わりにしたいと思います。
甲斐駒ヶ岳へのアクセス
エリア:南アルプス北部
この山へ行くのに最適な地図は、
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①一般的には、山梨側からも長野側からもバスで北沢峠に入る。マイカーは通年通行止め。北沢峠から山頂まで4時間半くらい。
②北東側の黒戸尾根は歴史ある名ルートとして知られるが、標高差が約2200mあって上級者向け。
③北西の鋸岳に通じるルートもあるが、甲斐駒ヶ岳に登るより鋸岳に至る方が難しく、エキスパート向けの難コース。