【槍ヶ岳】憧れの山頂で北アルプス大展望を望む絶景

槍ヶ岳タイトル山好きな人に人気の山といえば富士山より槍ヶ岳(やりがたけ)。その鋭く天を突く山頂を目指して、たくさんの登山者が登っています。

槍ヶ岳タイトル写真1写真1:双六岳の山頂台地から槍ヶ岳を望む。槍ヶ岳に向かって登山道が伸びる、北アルプスの名所のひとつ。(撮影:2019/8/6)

槍ヶ岳タイトル写真2写真2:双六岳から三俣蓮華岳へと続く尾根から槍ヶ岳を遠望する。遠くからでも一目で「ヤリだ」と分かる。(撮影:2019/8/6)

槍ヶ岳タイトル写真3写真3:常念山脈から槍沢を挟んで見た槍ヶ岳。槍の穂先が最も鋭く、そして美しく見えるアングルだと思う。(撮影:2001/10/27)

槍ヶ岳タイトル写真4写真4:奥穂高岳から見た槍ヶ岳。ここから、涸沢岳、北穂高岳、大キレットを経て槍ヶ岳まで縦走できる。(撮影:2016/9/30)

槍ヶ岳タイトル写真5写真5:東鎌尾根から槍の穂先を見上げる。最後は鎖や梯子を頼りに、この左側の急斜面を登って山頂に至る。(撮影:2017/9/26)

槍ヶ岳タイトル写真6写真6:北穂高岳の山頂から見た、大キレット越しの槍ヶ岳。大きな斜面に西日が当たり、山の一日が終わる。(撮影:2002/10/3)

槍ヶ岳タイトル写真7写真7:北穂高岳の山頂から見た、夜明け前の槍ヶ岳。ほの暗いなかに、鋭い槍の穂先が浮かび上がってくる。(撮影:2017/9/29)

槍ヶ岳タイトル写真8写真8:水晶小屋の近くで見た朝焼けに染まる槍・穂高連峰。これほどの絶景に出会うことは、なかなかない。(撮影:2019/8/7)

※タイトル画像は5秒ごとに変わります。
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槍ヶ岳の山頂は北アルプスの全容を見渡せる最高の展望台


「山が好きだけど、槍ヶ岳は知らない」という人は少ないでしょう。標高は3180m、日本で第5位ですが、2位の北岳や北アルプス最高峰の奥穂高岳より有名かもしれません。

とにかく、その姿がカッコいいですよね。鋭く尖った独特の山頂部は、遠くから見ても一目で「ヤリだ!」と分かります。まずは、この記事のタイトル写真で槍ヶ岳の美しい姿を堪能してもらえればと思います。

槍ヶ岳は、よく「憧れの山」とか「いつかは槍の穂先へ」といったことが言われます。でも、それなりに山歩きをしている人なら、たいてい槍ヶ岳に登ったことがあるのではないでしょうか。といった話を、ブログ記事「一富士、二槍、三剱」に書いています。

確かに槍ヶ岳の山頂部は急登が続きますが、鎖や梯子が整備された一般登山道です。北アルプスや八ヶ岳の山を何度か経験している人なら、たぶん大丈夫でしょう。初心者には難しいと思いますが、初級から中級へステップアップするころに登っている人が多いのではないかと思います。

槍ヶ岳の穂先

槍ヶ岳山荘前から見た槍の穂先。山頂を目指す登山者が小さく見える

山頂からの展望は抜群です。北アルプスの山々が、ほぼすべて見えます。南には、穂高連峰、焼岳、乗鞍岳。西には、笠ヶ岳、双六岳、黒部五郎岳、薬師岳など。東には、常念岳から大天井岳。そして北には立山、さらにその先に白馬岳など後立山連峰を遠望できます。

ただひとつ見えないのは、そう槍ヶ岳。山に登ると、その山の姿は見えないというジレンマですね。

では、まず槍ヶ岳の山頂から見える昼間の風景を全天球パノラマ写真でお楽しみください。ひとつ残念なのは、笠ヶ岳が雲に隠れてしまったこと。登頂寸前まで見えていたのですが…。

以下のタイトルをクリック(タップ)するとリンク先にある360°全天球パノラマ写真を見ることができます。PCは全画面表示、スマホは横向きもお勧めです。

秋晴れの槍ヶ岳山頂で全天球パノラマ写真(撮影:2017/9/26)

秋晴れの槍ヶ岳山頂で全天球パノラマ写真(山名ガイド付き)

翌朝、日の出に合わせて再び山頂へ。ところが、空全体に雲が広がっていて御来光は見ることができませんでした。しかし、しばらく待つとだんだん雲が薄くなって、北アルプスの山々に朝日が当たると昼間とはまた違った感動的な景色になりました。今度は、笠ヶ岳もよく見えています。

槍ヶ岳山頂から見る朝日が当たる黒部源流域の絶景(撮影:2017/9/27)

遠くから槍ヶ岳を見つけるコツ


北アルプスの南部では、槍ヶ岳が見えるとすぐわかります。しかし、美ヶ原や蓼科山、八ヶ岳あたりまで離れると北アルプスや中央アルプスの山々がギザギザの屏風のように見えて、どれがどの山か特定(山座同定)するのが難しくなります。

そこで、下の写真のスカイライン(稜線)を覚えておくといいと思います。北アルプスを東側から見ると、南(左)の方にこの形が見えます。西側から見たときは左右逆になります。

八ヶ岳から見た槍穂・高連峰

この写真の、左側の最も高いところが奥穂高岳です。その右の小さめの三角形が涸沢岳で、その隣の右に傾いたように見えるのが北穂高岳。そして、中央の大きく下がっているところが大キレットです。

大キレットから右に、南岳、中岳、大喰岳(おおばみだけ)と続くのですが、この距離だと分かりにくいですね。そして、右端にピンと立っているのが槍ヶ岳です。

槍の穂先は、遠方からだと霞んで見えにくいことがあります。でも、この槍・穂高連峰の一連のシルエットを覚えておくと、たいてい見つけることができます。ちなみに、この写真は八ヶ岳で撮りました。

歌に出てくる”小槍”のウンチク


童謡「アルプス一万尺」の中に「小槍(こやり)の上でアルペンおどりを さぁ おどりましょう」という歌詞があります。この”小槍”は、槍ヶ岳の山頂部北西側にある岩の塔です。

大槍と小槍

小槍に対して本峰を”大槍”(おおやり)ということがあります。大槍は登山道が整備されているので一般の登山者が登れます。一方、小槍はロッククライミングの技術と道具がないと登れません。私は両方ないので登ったことがありません。

ちなみに”一万尺”は約3030mで、ほぼ槍ヶ岳の標高(3180m)と一致します。小槍の方が少し低いので、さらに一万尺に近いです。

「だから、アルプス一万尺はヨーロッパじゃなくて日本のアルプスの歌なんだよ」というのは、よく知られたウンチクですね。この曲自体、アメリカの民謡に日本語の歌詞を付けたものですし。

さらに書くと、”アルペンおどり”というのも特にないそうです。

“逆さ槍”が見られる絶景スポットを訪ねる


槍ヶ岳展望の名所として、”逆さ槍”を楽しめる絶景スポットが2つあります。

上高地から入山して槍沢を登っていくと、天狗原分岐といって登山道が二股にわかれている場所があります。まっすぐ槍ヶ岳を目指すなら右に進みます。一方、左へ進むと40分ほどで天狗原(氷河公園)に着きます。

天狗原分岐

秋晴れの天狗原分岐、逆さ槍を見るなら左へ

天狗原には天狗池があって、槍ヶ岳の雄姿と池に映った逆さ槍を同時に見ることができます。ここは、かなり有名な槍ヶ岳展望の名所です。

天狗原の逆さ槍

槍ヶ岳の山頂部と、天狗池に映る”逆さ槍”

もうひとつの”逆さ槍”絶景スポットは鏡池です。

新穂高温泉から双六岳の方向を目指します。小池新道と呼ばれる登山道を登っていくと、稜線に出る前に鏡平と呼ばれる場所があります。そして、そこから見る槍・穂高連峰と、池に映る逆さ槍が絶景です。

鏡平の逆さ槍

鏡平で見る槍ヶ岳と鏡池に映る槍の穂先

ただし、池に映る逆さ槍を見られる位置(ポジション)は限られます。立ち位置や目の高さを変えて、うまく見える場所を探してみてください。

鏡平から槍ヶ岳へ行くには、双六小屋まで行って、そこから西鎌尾根を歩きとおすことになります。あるいは、小池新道入口まで下り、奥丸山を超えて登り返す必要があります。そのため鏡平は、黒部源流部や笠ヶ岳に行くとき立ち寄るといいかと思います。

槍ヶ岳へのアクセス

エリア:北アルプス南部

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槍ヶ岳周辺は人気エリアなので、たくさんの登山道があります。どのコースを選んでも、まずは槍の肩にある槍ヶ岳山荘を目指します。槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までのルートは一本だけです。

①もっとも一般的なのは、上高地から入山して槍沢ロッジかババ平のテント場で一泊。翌日、槍ヶ岳山荘まで上り、最後に槍の穂先に取りつくコース。

②上高地からのコースを少しアレンジして、天狗池で逆さ槍を見るルートもお勧め。その後、槍ヶ岳から南に伸びる稜線に上がり、中岳と大喰岳を経由して槍ヶ岳を目指す。あるいは、下りにこのルートを使うのもいい。

③槍沢の途中から東鎌尾根に登るルートもある。大曲から水俣乗越に上がり、槍ヶ岳を正面に見ながら東鎌尾根を進む。ただし、東鎌尾根は険しい道が続くので初心者向けとはいえない。

④新穂高温泉から入山して、右股谷に沿って槍ヶ岳を目指すルートも定番コース。途中、槍平小屋で一泊するのが一般的。千丈分岐点から飛騨乗越を目指して斜面を登るルートと、千丈乗越を目指して稜線に上がるルートがある。

⑤新穂高温泉から入山して、槍平小屋から南岳に上がるルートもある。南岳からは、槍ヶ岳を目指して3000m級の稜線を縦走する気持ちいいコース。

⑥槍ヶ岳の北東にある燕岳から大天井岳へと続く道は、表銀座縦走コースと呼ばれる人気のルート。そして、大天井岳から喜作新道と呼ばれる尾根道を進むと槍ヶ岳に到達できる。ただし、この尾根は東鎌尾根と呼ばれる難路。

⑦西鎌尾根から槍ヶ岳を目指すルートもある。まず、新穂高温泉から鏡平を経て双六小屋へ行く。そして樅沢岳に登り、槍ヶ岳に向かって西鎌尾根を歩く。

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一富士、二槍、三剱。【blog】一富士、二槍、三剱。

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